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山形県衛生研究所は県民の皆様の健康と安全のために活動しています。

TEL. 023-627-1358

〒990-0031 山形県山形市十日町1-6-6

調査研究Research

植物性自然毒食中毒

  • 山形県では天然の山菜やキノコに親しむ方が多いようです。一方、「食べられるものと間違って、有毒なものを食べてしまった」事件が過去に多数発生しています。
  • このような背景から、理化学部では食べられる山菜やキノコと誤認されやすい「有毒な植物やキノコの毒成分(植物性自然毒)」に関する研究を行っています。また、実際に植物性自然毒による食中毒が疑われる事案が発生した場合には、保健所からの依頼により検査(毒成分の分析等)を実施します。
  • 研究課題の例
    《食中毒事案の発生に備える》
     ・分析で必要になる毒成分を有毒植物等から抽出、精製する方法
     ・これまでに分析ができなかった毒成分を分析する方法
     ・1回の測定で様々な毒成分をまとめて分析する方法
     ・植物やキノコの種類を遺伝子等で鑑別する方法
    《食中毒事案を未然に防止する》
     ・有毒な植物やキノコの簡便かつ科学的に鑑別する方法
  • 山形県内での有毒植物・キノコの誤認(誤食)による食中毒の発生状況については、「誤食しやすい植物とキノコ」をご覧ください。
 
トリカブト(若芽)

トリカブト(若芽)

トリカブト(花)

トリカブト(花)

ツキヨタケ

ツキヨタケ











  • 近年、全国的に「スイセン」や「緑化したジャガイモ」など身近な植物による食中毒が多数発生しています。
  • 園芸植物の誤食
     最近、スイセンをはじめとする園芸植物を野菜と誤認して食べてしまう食中毒が多いようです。畑や家庭菜園では栽培している区域を明確に分け、誤食の防止に努めるようにしましょう。また、植えた覚えのない植物(野菜)を食べるのは避けましょう。
  • ジャガイモ
     ジャガイモが原因となった集団食中毒が毎年のように発生しています。小学校等で発生した事例も複数報告されています。
     「未熟で小さいもの」、「光が当たって緑色になった部分」、「芽」、「芽の根元」には有毒成分が多く含まれています。調理前にしっかりと(少し多めに)取り除くと予防につながります。また、家庭菜園などジャガイモを栽培するときには、イモに光が当たらないように土寄せをしっかりと行うことも重要です。
  • 参考になるウェブサイト
     誤食しやすい植物とキノコ
     山形県における有毒植物・毒キノコによる食中毒の発生傾向
     厚生労働省『自然毒のリスクプロファイル』

動物性自然毒食中毒

  • 山形県では有毒な魚介類等による食中毒はほとんど発生していません。しかし、環境変化に応じて動物の生息域も変化します。このため、将来的なリスクに備え、有毒な魚介類等の毒成分分析法や品種鑑定法についての研究にも取り組んでいます。


化学物質食中毒:ヒスタミン関係

  • 高濃度にヒスタミンを含む食品(主に魚類、魚類加工品)を食べることで、「顔の紅潮」や「じんましん」、「発熱」などいわゆるアレルギー様症状を発症する食中毒です。ヒスタミンは鮮度の低下した食品中で生成され、また、一旦生成されてしまうと加熱調理しても分解されません。ヒスタミンによる食中毒は毎年報告されています。
  • ヒスタミン食中毒報告数(厚生労働省ウェブサイトより引用
       事件数 患者数       事件数 患者数       事件数 患者数 
    2011 7 206 2016 15 283 2021 4 81
    2012 9 113 2017 8 74 2022 2 148
    2013 7 190 2018 20 355 2023
     2014  7  61  2019 8 228 2024
     2015  13  405  2020 13 219 2025
  • このようなことから、ヒスタミンを迅速かつ正確に分析できる手法について研究しています。また、食品中でのヒスタミン生成を抑制するための研究も行っています。

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