ヒトメタニューモウイルス(hMPV)は、2001年に発見されたウイルスで、小児の呼吸器感染症の原因ウイルスであり、特に乳幼児で喘鳴をきたす急性気管支炎や肺炎の病原体として重要となっています。日本人の大多数は乳幼児期にこのウイルスの感染を受けていますが、十分な終生免疫がえられないため、再感染がおこります。

 私たちは、山形県の子どもさんの呼吸器感染症においても、このウイルスが原因の1つとなっていることをつきとめました。毎年春を中心に流行しますが、年間を通じてみられる年もあります。
 遺伝子型を分析すると、2004年の流行はB2が主流でしたが、2005年はA2,B1,B2の混合流行、2006年はA2とB2の混合流行となっていました。
一般に、このウイルスは細胞で増やすことが難しいといわれています。私たちは、サルの腎臓の1つであるVeroE6細胞で増やせることに気がつきました。

 衛生研究所では、さらに詳細にヒトメタニューモウイルスと病気の関係について疫学調査を続けていきます。

  調査の実施にあたって、ウイルス分離用の検体をいただいた県民の皆様、保護者の皆様、関連医療施設のスタッフの皆様のご配慮をいただきました。厚く御礼申し上げますとともに、引き続きご協力いただけますようお願い致します。

皆様のご協力どうもありがとうございました