2000年は、全国的に手足口病の当たり年です。山形県内でも多数の患者報告があります(全国、山形県内の患者数の情報については、衛研ホームページのトップからリンクされている国立感染症研究所、山形県医師会のホームページをご覧下さい)。
  手、足、口に小さな水ぶくれを作るのがこの病気の特徴で、この病気はウイルスによっておこります。ところが、このウイルスは1種類ではないのです。臨床症状としてはまったく同じなので、病原ウイルスが何であるかについては、ウイルス検査をしなければわからないのです。
  2000年は患者さんが多かったことと、熱心な小児科の先生・患者さんのご協力のおかげで5月8日から11月29日までに県内11の医療機関から121件の検体(咽頭を綿棒で拭った液)をいただきました。そのうち6歳以上は10名しかおらず、ほとんどの患者さんは小学校に入る前の子どもさんでした。
  検査の結果、病原ウイルスとしては4種類のウイルスが検出されました。置賜地方では主としてエンテロウイルス71型(右図ピンク色)が、その他の3地域はコクサッキーA16(右図水色)が病原ウイルスとして分離されたのです。村山地域・最上地域でも一部エンテロウイルス71型が分離されています。庄内地区ではコクサッキーA10、エコー25型というウイルスも検出されました。どうしてこのような地域差ができるのかはわかりません。
 また、1名、40代の成人で典型的な臨床症状を呈した患者さんからエンテロウイルス71型が分離されました。基本的には手足口病は子どもの病気ですが、大流行がおこるとごくわずかですが免疫をもっていなかった成人でも感染の機会がふえて発症するのでしょう。
 
  今後とも県民の皆さんとご一緒に感染症について考えていきたいと思っておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。(山形県衛生研究所所報33:60-62,2000参照)


  さらに詳しく2000年の山形県内の週別、地区別コクサッキーA16、エンテロ71の分離状況を知りたい方はこちらをクリックして下さい。
 
皆様のご協力どうもありがとうございました