山形県における春のつつが虫病患者数予測結果(2017年)

本県の木々もすっかり芽吹き、新緑の葉が茂る季節となりました。春と言えば山菜採り・農作業ということで、これから野山に出かける方が増えていくと思います。そのような中、心配されるのが「つつが虫病」です。山形県では、毎年、ゴールデンウィーク前後~6月末を中心に、つつが虫病患者が発生しています。

山形県衛生研究所では、本県における春のつつが虫病患者数と過去の気象データに関連性があることを見出し*、過去の気象データから翌春(未来)のつつが虫病患者数を予測する取り組みを行っています。

*Epidemiology and Infection, 145:462-470, 2017.
(要旨はこちら


予測結果:2017年春の山形県におけるつつが虫病患者数は平年並み

 春から秋の間で、野山に入ってから514日後に発熱し、その後、発疹(全身のブツブツ)が出た場合は、つつが虫病を疑い、早めに医療機関を受診してください。つつが虫病は、有効な治療薬で早期に治療すれば完全に治りますので、過度に恐れる必要はありません。その他、つつが虫病に関する情報は、当所作成の パンフレット(1.13MB)を参考にしてください。

<計算方法>
 過去31年間(1984-2014年)の本県における春のつつが虫病患者数(図1)の増減と関連性の強かった4種類の気象データ(例 前年8月の平均気温 [2])を用いて、未来のつつが虫病患者数を予測しています。過去31年間の春の平均患者数が約9.1人だったことから、予測された患者数を以下のとおり分類しています。

つつが虫病患者予測数

分類

4人未満

とても少ない

4人以上7人未満

やや少ない

7人以上11人未満

平年並み

11人以上14人未満

やや多い

14人以上

とても多い


1 春のつつが虫病患者数(1984-2014年、山形県)

2  8月平均気温と翌春のつつが虫病患者数の関係(1984-2014年、山形県)

 

                 <過去の予測結果>

予測結果

結果(実際の患者数)

2016

平年並み

やや少ない(4人)

2015

平年並み

やや少ない(4人)