季節の薬草 |
山形県保健福祉センター(山形県山形市十日町)の敷地内には薬草栽培地があります。
当所では、地域保健推進特別事業の一環として、古くから利用されていた薬草について勉強を始めました。季節の薬草を調べてご紹介します。
ボタン科の多年草。観賞用として庭に植えられることが多い。 採取と利用法:根を掘り起こし洗って、そのまま乾燥させるか、蒸してから乾燥させる。根を刻んで煎じて服用する。 成分:ペオニフロリン、ペオノール、アルビフロリン、安息香酸、タンニンなど。 薬効:鎮痛、鎮痙、鎮静 漢方薬の構成生薬として使用され、甘草と一緒に配合することでこむら返りなどの筋肉の引きつれに応用される。 |
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特有のにおいがあるドクダミ科の多年草。 採集と利用法:花が咲いている時期に全草を採取し、水洗いしてから、風乾し、煎じて服用する。傷口に用いるときは新鮮な葉を揉んで使うとされる。 成分:クエルシトリン、クエルセチン、メチルノニルケトン、デカノイルアセトアルデヒドなど。 薬効:利尿、消炎、緩下、殺菌 注意:服用により人によっては下痢をするので、適量を使用する。少量で試してみることが必要。 日本薬局方では一日最大分量を乾燥品で15gとしている。 |
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オトギリソウ科の多年草。 採取と利用法:花が終わって実になる頃に全草を採取し、水洗いして使用する。生で揉んだものや煎液を傷薬とする。 成分:タンニン、ヒペリシン、クエルセチンなど。 薬効:止血作用、傷薬とする。 注意:成分のヒペリシンでアレルギーを引き起こすことがあるので注意すること。西洋オトギリソウ(セントジョーンズワート)を服用する場合は他に服用している薬が効かなくなることがあるので注意が必要です。 |
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フウロソウ科の多年草。夏に白やピンクの5弁の花をつけ、花が終わると長いロウソクのような実ができる。 採取と利用法:花期に採取した全草を乾燥する。下痢、腹痛には、ていねいに煎じて熱いうちに服用する。便の出が悪いときには、軽く煎じて冷やしたものを服用する。 成分:ゲラニイン、ピロガロール、クエルセチン、タンニンなど。 薬効:下痢止め、健胃、整腸。 土用の丑の日の頃、有効成分のタンニン含量が最大になる。 |
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バラ科の落葉低木。 採取と利用法:熟した果実を乾燥させる。 成分:クエルセチン、ウルソール酸、タンニン、ビタミンCなど。 薬効:健胃、整腸。 |
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クロウメモドキ科の落葉低木または小高木。 採取と利用法:熟した果実を乾燥させる。 成分:ウルソール酸、オレアノール酸、サポニン、糖類など。 薬効:鎮静、強壮。 |
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アヤメ科の多年草。 採取と利用法:雌しべの柱頭の赤い部分を集め乾燥する。食品の香料や着色料としても用いられる 成分:クロシン、クロセチン、ピクロクロシン、サフラナールなど。 薬効:更年期障害などの婦人病薬に用いる。 |
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※実際に薬草を使用する場合には専門家にご相談ください。
(理化学部)