山形県衛生研究所では、感染症予防の観点から、山形県民の皆様が病原体に対してどのくらい抗体をもっているか調査をしています。平成18年度は、インフルエンザに加えて、日本脳炎に対する抗体調査を行いましたので、結果を報告致します。
 山形県における2006年の年齢層別日本脳炎抗体陽性率は下図のようになりました。
 0-4歳では、抗体陽性者はいませんでした。この世代のワクチン接種歴はない、または不明のいずれかでした。
 2004年の全国調査の結果によれば、”ヒトの抗体陽性率は、年齢によりばらつきがあるものの、定期接種の標準年齢である3-4歳から急激に上昇し、、10代ー20代なかばまでは約80%、その後40代半ばまでなだらかに減少し、40代後半で焼く15%に低下、その後再び上昇に転じ、60代後半でほぼ100%に到達、その後再び低下”(2004年度感染症流行予測調査報告書による)となっています。山形の状況は、5-14歳こそ72.7-88.6%となっていますが、それ以外の年齢層では低い状況にあるといえます。
 ブタの日本脳炎ウイルス感染状況(同調査報告書)によれば、東北、北海道地域は西日本に比し、抗体陽性率が低くなっていますが、宮城県、青森県、北海道では抗体陽性のブタが見つかっています。
 日本脳炎の予防接種は現在見直しの状況にありますが、特に感染の可能性が高い地域に行く場合は、ワクチンの接種を考慮する必要があります。
  
  今回の調査に関しては、0-4歳(74名)、5-9歳(33名)、10-14歳(35名)、15-19歳(15名)、20-29歳(69名)、30-39歳(26名)、40-49歳(25名)、50-59歳(25名)、60歳以上(15名)合計317名の県民の皆様にご協力をいただきました。どうもありがとうございました。また検査の実施にあたっては、保護者の皆様・関連医療施設のスタッフの皆様のご配慮をいただきました。あわせて御礼申し上げます。

皆様のご協力どうもありがとうございました