山形県衛生研究所では、感染症予防の観点から、山形県民の皆様が病原体に対してどのくらい抗体をもっているか調査をしています。平成13年度は、インフルエンザに加えて、麻しん(はしか)に対する抗体調査を行いましたので、結果を報告致します。
 山形県における年齢層別麻しん抗体陽性率は右図のようになりました。
 0-4歳では、まだ感染していない、あるいはワクチンを受けていない方が多いこと、などから74.2%の陽性率にとどまりましたが、それ以上の年齢では、100%の高い陽性率となりました(黄色の部分が抗体陰性者です)。
 しかし、麻しんの定期接種の標準とされる12-24ケ月を過ぎてもまだ抗体を獲得していない子どもさんがいるのも事実です(右表参照)。
 麻しんは肺炎をおこし、小児の感染症においては現在でも重要なウイルス病原体です。麻しんによる死亡者数は、1950年代の約35,000人から、1990年代には約200人にまで低下していますが、現在でも国内で年間20-30名の死亡者がでているのです。
 きちんとワクチンを接種して子どもたちを麻しんから守りましょう。
(山形衛研所報35:59-61,2002参照)
  
  今回の調査に関しては、0-4歳(31名)、5-9歳(25名)、10-14歳(21名)、15-19歳(39名)、合計116名の県民の皆様にご協力をいただきました。どうもありがとうございました。また検査の実施にあたっては、保護者の皆様・関連医療施設のスタッフの皆様のご配慮をいただきました。あわせて御礼申し上げます。

皆様のご協力どうもありがとうございました