山形県衛生研究所では、感染症予防の観点から、山形県民の皆様が病原体に対してどのくらい抗体をもっているか調査をしています。平成17年度は、インフルエンザに加えて、麻しん(はしか)に対する抗体調査を行いましたので、結果を報告致します。
 山形県における2005年の年齢層別麻しん抗体陽性率は下図のようになりました。
 0-1歳では、まだ感染していない、あるいはワクチンを受けていない方が多いことなどから48.1%の陽性率にとどまりましたが、それ以上の年齢では、95.2-100%の高い陽性率となりました(折れ線グラフが抗体陽性率です)。
 しかし、麻しんの定期接種の標準とされる12-15ケ月を過ぎてもまだ抗体を獲得していない子どもさんもいらっしゃいます。
 麻しんは肺炎をおこし、小児の感染症においては現在でも重要なウイルス病原体です。麻しんによる死亡者数は、1950年代の約35,000人から、1990年代には約200人にまで低下していますが、山形県では2004年の1-2月に村山地方の中学生のあいだで麻疹の局地的流行を観察しました。
 全国的には、2001年に報告症例数が33,812名ありましたが、2004年は過去10年で最低の1,554名、2005年はそれを下回る傾向にあり、根絶までもう少しです。
 1歳になったら、きちんとワクチンを接種して子どもたちを麻しんから守りましょう。
  
  今回の調査に関しては、0-1歳(27名)、2-3歳(26名)、4-6歳(19名)、7-9歳(21名)、10-14歳(40名)、15-19歳(39名)、20-29歳(50名)、30-39歳(30名)、40歳以上(23名)、合計275名の県民の皆様にご協力をいただきました。どうもありがとうございました。また検査の実施にあたっては、保護者の皆様・関連医療施設のスタッフの皆様のご配慮をいただきました。あわせて御礼申し上げます。

皆様のご協力どうもありがとうございました

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