現在、世界でヒト遺伝子の解析が進められています。私たちに感染症をひきおこすウイルスも
遺伝情報をもっており、年月とともに変化しています。インフルエンザが毎年変異をおこして私たち
の社会で流行を引き起こしているのはその1例です。
山形県衛生研究所では、山形大学医学部感染症学教室・仙台医療センターウイルスセンター・
国立感染症研究所・東北大学医学部微生物学教室と連携し、流行状況の疫学解明や病原性解析
のために、県民の皆様に病気をおこしたウイルスの遺伝子解析を実施しています。その結果は、
人類の共有財産として蓄積され、山形県はもちろん、日本の、世界の感染症対策・公衆衛生の向上
に役立つものと考えています。
県民の皆様のご理解とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
@エンテロウイルス エンテロウイルスは主として夏かぜをおこすウイルスの仲間です。 |
A麻疹ウイルス 麻疹ウイルスは麻疹(はしか)を引き起こす病原体で、ワクチン接種で予防可能です。
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Bアデノウイルス
急性気道感染症、咽頭結膜(プール)熱、流行性角結膜炎、感染性胃腸炎などさまざまな病気を
おこします。DNAウイルスなので、RNAウイルス(例えばインフルエンザ)と比べて遺伝子の変異は
少ないと考えられていましたが、今回の山形県における1988-2007年までの20年間の調査でこの
仮説が裏付けられました。
Cインフルエンザ
インフルエンザ(特にA型とB型)は変異し、毎年流行を繰り返しています。近年では新型
インフルエンザの出現が危惧されています。山形大学医学部感染症学教室は、特に
インフルエンザC型の研究では世界の最先端を走りつづけています。
Dヒトメタニューモウイルス
ヒトメタニューモウイルスは主に小児の急性気道感染症(いわゆる”かぜ”)を引き起こす病原体で、
2001年に新たに発見されたものです。
ヒトメタニューモウイルス 2004から2005年に私たちは山形県内で79株のヒトメタニューモウイルスを分離しました。ヒトメタニューモウイルスは細胞での増殖(分離)が難しく、時間がかかるため、これほど多数のウイルスを細胞で分離した報告はありません。同時に、私たちは、県内の小学校や保育園でこのウイルスが流行している状況を明らかにしました。 関連するHP、論文 |
遺伝子登録番号 F遺伝子:AB251496、AB251497、AB251498、AB251499、AB251500、AB251501、AB251502、AB251503、AB251504、AB251505、AB251506、AB251507、AB251508、AB251509、AB251510、AB251511、AB251512、AB251513、AB251514、AB251515、AB251516、AB251517、AB251518、AB251519、AB251520、AB251521、AB251522、AB251523、AB251524、AB251525、AB251526、AB251527、AB251528、AB251529、AB251530、AB251531、AB251532、AB251533、AB251534、AB251535、AB251536、AB251537、AB251538、AB251539、AB251540、AB251541、AB251542、AB251543、AB251544、AB251545、AB251546、AB251547、AB251548、AB251549、AB251550、AB251551、AB251552、AB251553、AB251554、AB251555、AB251556、AB251557、AB251558、AB251559、AB251560、AB251561、AB251562、AB251563、AB251564、AB251565、AB251566、AB251567、AB251568、AB251569、AB251570、AB251571、AB251572、AB251573、AB251574 |
山形県衛生研究所では、県民の皆様と感染症対策について一緒に考えていきたいと考えております。どうぞ今後ともご協力をお願いいたします。 |
皆様のご協力どうもありがとうございました |